アップ板

レースでは,本番用の板と同じメーカ,長さのアップ板をなるべく用意したほうがいいと思います.

本番用の板一本でレースに臨むと,スタート地点等でワックス剥がし,ブラシ掛け等の作業をする必要があります.雪上での作業は何かと不安定だし,降雪時はかなり作業しづらくなります.不慮の理由でスタートへの到着がギリギリになった場合,ワックスを剥がす作業時間が確保できなくなるかもしれません.さらにはアップ中に転倒して板を損傷させてしまう可能性もゼロではありません.

アップ用の板を用意できる場合,本番用の板は前日に宿でしっかりとワックスを剥がしてブラシがけまで完了させておくと良いと思います.よほど天候が読めない場合を除き,スタートワックスも塗布してしまっていいと思います.スタート地点の雪上で作業するよりも,はるかに綺麗にスタートワックスを塗ることができます.また,タイムスケジュールがタイトな国内公認レースでは,1本でも多くアップをするために,アップ用の板があると効果的だと思います.

アップ用の板に全く異なる板,例えばGSレースにSL板でアップするのは,あまりお勧めしません.全く違うタイプの板でアップすると,感覚がずれてしまい,レース本番の滑りがおかしくなってしまう可能性があると思います.ただし,全く同じ板を2本準備するのは費用がかなりかかります.同じメーカ,板の長さであれば,過年度のモデルをアップ用の板にすることが可能です.レース用のスキーは,1シーズンでフルモデルチェンジすることは稀です.トップシートのデザインだけを変更して,中身を変更しないことも多いと思います.もちろん,本番用の板一本でレースに臨むことも十分可能です.

2021/08/08