インスペクションは,コース内に入ってセッティングされたゲートを事前に下見できるものです.決められた制限時間内で行います.レースのルールに則り,横滑りやプルークで十分低速で行ってください.
公認レースでは,インスペクションは入場制限時間が設定されていることが多いです.入場制限時間に遅れるとコースに入られずインスペクションすることができません.遅れないように開始時間まで並んで待っておくのも手堅い方法かと思います.
インスペクションのやり方は人それぞれだと思います.じっくり時間をかける人,短時間で終わらせる人,ゲート数を数える人,全て記憶する人,難しい部分だけ記憶する人,景色で記憶する人,特に記憶しない人,仲間と談笑しながらやる人,コーチと相談しながらやる人,音楽を聴きながらやる人,自分の世界に入って集中してやる人,等々.どのやり方が合っている,どのやり方は良くないというのは,ないと思います.自分に合ったやり方なら,ルールの範囲では,どんな方法でも良いと思います.佐々木明さんが現役時代に,インスペクションをほぼ見なかったという話は有名ですよね.でも,その後は,しっかり見るようにもなったと聞きます.自分にあったインスペクション方法を試行錯誤して探す必要があると思います.
手を使って滑走のイメージを作ることを多くのレーサーが行っています.確かにイメージしやすいと思います.ストックのひもを外しておくと,手が自由になり,やりやすいです.
斜面変化で見えない場所等,気になる部分は登り返して,もう一度見る方法も有効だと思います.
不慮の理由でインスペクション時間に間に合わないこともあるかもしれません.そのような時は,リフト上,コース脇からセットを確認しましょう.セットの概況は十分確認できます.焦らず,できることをやりましょう.
2本目の出場人数制限,いわゆるセカンドカットがある場合,自分が2本目に進出できているかどうか確認できないうちに2本目のインスペクション時間がきてしまうことがあります.その場合は2本目進出の可否にかかわらず,とりあえず2本目のインスペクションだけは行っておけば良いと思います.
基本的にインスペクションに回数制限はないので複数回やっても構いません.ただし,公認レースでは入場制限時間があることが多く,複数回行うことは時間的にほぼ不可能です.また,春先のレース等,バーンの荒れを考慮して1回しかインスペクションをしないように回数制限されることもあると思います.
2021/05/13