滑走面作り

何度もワックスを塗ってはがしてを繰り返すと,いわゆるスキー板にワックスが染み込み,スキーがよく滑るようになると思います.この何度もワックスを塗って剥がしてを繰り返す作業が「滑走面作り」です.ワックスが染み込むという現象は具体的に何が起こっているのか私にはわかりませんが,スキーが良く滑るようになるのは間違いないと思います.私の個人的な感覚では,ワックスがよく染み込んだスキーというのは,明らかにずば抜けてよく滑るというよりは,様々な雪質で安定的によく滑ると思います.

30回程度,塗ってはがしてを繰り返せば,だいたい滑走面作りが完了するようです.シーズンオフに実施するのがよいと思います.滑走面作りに使うワックスの種類は何でもよいようです.また,くれぐれもアイロンの熱でスキー板を壊さないよう,アイロンは手早くかけたほうがいいと思います.ワックスがけの基本は一回をじっくりではなく,軽くを何度も,だと思います.それでも一日当たりのワックスの塗り剥がしは2,3回程度に抑えるほうがいいようです.

現役選手のスキー板はシーズン中にほぼ毎日ワックスを塗っているので,スキー板によくワックスが染み込んでいき,シーズン後半には多くの現役選手のスキーが自然に,よく滑るようになっていると思います.しかし,シーズン頭からスキーがよく滑る状態にするには,オフシーズンに滑走面作りをする必要があります.

ただし正直,30回塗って剥がしてを繰り返す作業はかなり大変です.ワックスフューチャー等の外注を利用するのもよいと思います.

2020/06/30