手袋

長時間,雪上にいるアルペンレーサーにとって手は冷えやすい部位であり,保温性の高い手袋はかなり重要だと思います.トレーニング中や本番のレースで手が冷えていては,滑りに集中できないと思います.本革性の手袋は蒸れづらく,非常に暖かいと思います.値段はやや高いですが,優れた本革手袋は値段分の価値が十分あると思います.

アルペンレーサは手袋を1シーズンで穴を開けて駄目にしてしまうことも多いと思います.主にバックルの開け閉めと,ポールセット等の作業のためだと思います.中でもレンチ作業が最も手袋を痛めると思います.最近はブラシポールも増えてきてレンチを使わなくなってきているので,レーサーの手袋も少しは長持ちするかもしれません.また,本革の手袋はオイルを塗ってメンテナンスすることで寿命がかなり延びると思います.オイルを塗るときは,必ず手袋をしっかり乾かしてから塗ってください.オイルの種類は各メーカが出している専用オイルを使えばいいと思います.現実的には現役選手は忙しくて,手袋のケアをしっかりできていない選手が多いと思います.

手袋は毎回使用後,しっかり乾燥させてください.においを発するようになってしまうときがあります.ストーブに直接当てると焦がしてしまうこともあるかもしれないし,そこまでしなくても普通に干しておくだけで翌日までに十分乾きます.

ミトンの手袋は暖かいですが,当然,手先が不自由になります.アルペンスキーは案外,細かい手先作業が非常に多く,ミトンでは不自由なことが多いと思います.WCレーサでミトン手袋を使っている選手が結構いますが,周辺の事はスタッフがやってくれて,本人は細かい作業をする必要がないからだと思います.

FISレースレベルになったら,GS用のパッドの入ったレース用手袋を用意することをお勧めします.GSでは稀に手をポールにぶつけることがあります.ぶつけるのは稀ですが,その1回で指を骨折してしまうことがあります.親指にもパッドが入っている手袋がベストですが,親指にパッドが入っている商品はロイシュ等,少ないと思います.まずはナックル部分にパッドが入っていれば十分です.パッドの入ったレース用手袋は思いのほか手先がうまく動かせません.費用がかさみますが,パッドの入っていない普通の手袋も用意できると何かと便利です.

ロイシュの手袋は非常に柔らかい上質な革を使っていると思います.通気性にも優れ非常に暖かいです.やや革の耐久性が低いですが,オイルを塗ってケアすれば数シーズン使えると思います.ヘストラも非常に良質な革を使った良い手袋だと思います.

2020/09/04