春から夏にかけて,クローズしたスキー場の残雪や高山の雪渓などで,スキーを担いで登って雪上トレーニングをすることがあります.もし夏場に海外遠征をしないのならば,雪面感覚を少しでも失わないようにするために有効なトレーニングだと思います.ただし練習効率はかなり悪いです.
オフシーズンに海外遠征せずに国内だけで活動するのであれば,夏期に雪上に全く立てない長いオフシーズンが必ず生じます.少しでもオフシーズンを短くするために,スキー場がクローズしたあとも,残雪や高山の雪渓などでスキーを担いで登って滑る方法があります.雪上にいる時間を少しでも長くして雪面感覚を失いづらくするには有効な方法だと思います.ただし,担いで登るのは時間がかかるし,かなり体力を消耗します.短い距離を数本しか滑られないと思います.通常の雪上トレーニングにくらべ練習効率がかなり低いのは間違いありません.
残雪担ぎ上げは,雪上感覚を養うトレーニング効果以外にも,担ぎ上げで持久力が鍛えられることや,つらい担ぎ上げで養われる精神力(根性),ここまでやったんだという自信につながる,等の効果があると思います.正直こっちの効果のほうがも大きいかもしれません.そのくらい練習効率は悪いです.
小中学生までは残雪担ぎ上げトレーニングを行うこともあると思いますが,高校生以上で残雪担ぎ上げを行う選手は稀だと思います.練習効率が極めて低いため,フィジカルトレーニングをしたほうが効率的と判断しているからだと思います.それは普通に適切な判断だと思います.ただし,多く選手が日本式のターンのたびに膝を曲げて脚力でターンする方法をとっているため,フィジカルアップが速さに直結するため,多少雪面感覚を失っても,フィジカルを鍛える効果があるためだと思います
腰高の技術の場合,フィジカルはポジションを安定させる等の効果が主で,速さに直結するわけではありません.さらに,腰高の技術は雪面感覚が鈍りやすい欠点があります.腰高の技術の場合,高校生でも残雪担ぎ上げをして,少しでも雪上に長く立ち続けて,わずかでもオフシーズンを短くするほうがいいと思います.
残雪担ぎ上げは,雪質が悪く,コースも短くなだらかなことが多いと思います.あらゆる条件が最悪に近いです.技術課題に取り組もうとしたり,速く滑ろうとしたりすると,滑りを崩す可能性が非常に高いです.残雪担ぎ上げは,ただ単に雪面感覚を養うだけで十分です.ただただ普通に滑ってください.とにかく変なねじれ,傾きがないよう,スクエアに滑ってください.
2021/06/09