ゲートトレーニングを行う際には,上手くターンできるときもあれば失敗してしまうときもある斜度,振り幅,雪質の「限界条件」で練習することが重要だと思います.
「限界条件」でゲートトレーニングすれば,どういう技術で滑ればミスなく速く滑られるか,自然に試行錯誤することとなり,それが技術向上につながりやすいと思います.ほとんどミスしてしまうような難しすぎる条件でも技術力向上に効果がありますが,効率が悪いと思います.
簡単でミスなくパーフェクトに滑ることのできる条件では,自分の技術の問題点が不明確となり,現状の自分の技術をどう向上させればいいか方向性がわかりづらくなると思います.パーフェクトに滑られる現状の自分の技術に満足してしまい,技術向上のモチベーションを失うこともあると思います.簡単でミスなくパーフェクトに滑ることのできる条件で大量に滑り込んでも,練習効果はかなり低いと思います.
小学生のうちであれば地元の小さなスキー場でも限界条件を得られると思います.中学生になると,ある程度スピードと斜度が確保さたバーンが必要になると思います.高校生となりFIS規格の道具を使うようになると,特にGSに関しては,限界条件ターンを複数確保できるトレーニングバーンは国内でも限られると思います.国内では限界条件が1,2ターンしか得られない練習環境は珍しくないと思います.
限界条件が1,2ターンしか得られない練習環境でゲートトレーニングをする場合,練習効率はかなり低いですが,練習効果はゼロではりません.限界条件が1ターンでも有れば,10本滑れば10ターン,限界条件でトレーニングできたことになります.とにかく練習量を大量に稼ぐしかないと思います.しかし,もし自分にとって限界条件が1ターンも無い場合には,100本滑っても限界条件ターン数は0ターン以上に増えることはありません.簡単すぎる条件で大量に滑っても練習効果はほとんど得られないと思います.早めに切り上げて,フリースキーや基礎練習に切り替えたほうがいいと思います.その日の練習ゲートが,自分にとって限界条件のターンがゼロなのか1以上なのか,見極めることが重要だと思います.
ちなみに,例えば1本のゲート練習の中に10ターンの限界条件ターンがある環境なら,10本滑れば100ターン,限界条件でトレーニングできたことになり,練習効率が大幅に高まると思います.練習環境は技術向上効果に大きな差を生じさせると思います
2020/10/07