ゲート練習に入る前には誰しも数本,フリーでアップをすると思います.その日の身体の状態の確認やスキーの滑走感覚,スピード感を掴むためには必用だと思います.しかし,身体を温めてフィジカルをアップさせるためには,実はかなり非効率な方法ではないでしょうか?必死に滑って身体を暖めてもリフトに乗ってる間にすぐ冷えてしまう.しかもアップだからと流して滑る選手が大半.せめて例えばショートターン等の身体が暖まりやすいドリル等で滑るべきです.プルーク等の基本練習から入る選手も多いですが,せいぜい2,3ターンくらいしか時間的にできず,それでは基本練習としての効果が低いように思います.結果的に大半の選手がゲート練習の頭数本を身体を温めるアップにしてしまっている可能性が高いと思います.毎日数本分のゲート練習を無駄にしているとしたら,かなりもったいないと思います.これならいっそフリーせずいきなりゲートに入ってアップをかねたほうがまだ効率的です.
動的ストレッチを用いて効率的に体を温めてみてはどうでしょうか?WCレーサーがスタート前にゴムチューブ等を使ってやってるあれです.ゴムチューブは相手に手伝ってもらう必要があるし,ゴムチューブが無かったり一人の時は,腕立て伏せやスクワットも効率よく身体が暖まります.立派な動的ストレッチです.ストックで支えて足を前後に振る,あの伝統的なアップ方法も有効です.ポイントは動さを可動域の8割くらいに抑えて,回数をたくさんやること.筋トレするわけではありませんので.軽く汗がにじむまで2,3分,いくつかのメニューを組み合わせてやるといいと思います.もちろんウェアはしっかり着込んでやります.
能力の高い現役アスリート選手なら,フリーアップで感覚をつかむこと自体は1本もあれば十分でしょう.余計なアップフリーをゲート練習に回すことができます.もちろんゲートに入る頃にはもう一度身体が冷えている可能性が高いので,そこでももう一度動的ストレッチを行う必要が生じると思います.
2018/11/08