速いスキーより上手いスキー

ジュニアの育成はたくさんの方法論があると思います.私はジュニアのうちは単純に「速いスキーより上手いスキー」を目指せばいいのではないかと考えています.基本は,毎日,雪山で遊ぶことではないかと思います.そうすれば自然と様々な条件をたくさん経験することができます.パウダー,コブ,林間,ジャンプ,アイスバーン,湿雪,整地,ロングクルージング,急斜面,緩斜面,スケーティング,吹雪,雨,晴天,ナイター,担ぎあげ等々・・・.どんな条件でも滑られるようになることが,スキーが上手だということだと思います.

アルペンスキーをやっている子に,スキー自体があまり上手ではない子を見かけることが結構あります.せっかくアルペンスキーに取り組んでいるのに非常に残念だなと感じます.ジュニアのうちからゲートトレーニングをたくさん積めば,速く滑る技術やポールセットへの戦略は早くから向上します.当面の大会の成績は良くなります.しかし,ゲートトレーニングだけではスキー操作が限定的で,そのため,さほどスキー自体が上達しなくなってしまうと思います.速く滑るための技術や戦略はあとからいくらでも取って付けられます.しかし,根本的なスキー操作の種類,幅をシニアになってから拡げるのは至難の業です.ジュニア期にスキー操作の幅を広げておかないと後から伸び悩んでしまうと思います.

2018/10/24