前後の良いポジションに乗ることができるかどうかが，アルペンスキーを速く滑る全ての前提条件だと思います．これはゲレンンデスキーでも，いわゆる上級者とそれ以外を明確に分ける技術境界になっていると思います．

ポジションが前後にずれると，どんなに体重やパワーがある人でもスキー板に加える力が少なくなってしまい，強い荷重をすることができず，上手くターンすることが難しくなると思います．力がまっすぐにスキー板に伝えられず，分力として失ってしまう力がかなり大きいためだと思います．逆に前後のポジションさえよければ，小柄な選手や非力な女子選手でも鋭いターンをすることが可能だと思います．

どんなに運動神経が優れている人でも，もはや全人類が，スキーを初めて滑るときは皆，後傾になってしまうと思います．ただし，たくさんスキー滑走経験を積めば，逆に誰でも良いポジションに乗ることは可能なのではないかと私は考えています．もちろん良いポジションに乗れるようになる時間には個人差があります．なかなか良いポジションに乗れずに苦労する人もいますが，あせらず，急がず，いつの日かかならず良いポジションに乗れるようになります．

2018/08/15
改訂2020/07/27