スキー

スキー選びの基本は板の硬さだと思います.

硬い板は操作性が少し悪いですが,非常に安定感があり,鋭いカービングターンが描けると思います.柔らかい板は操作性が優れていますが,ターン中も常に荷重を調整する必要があり,安易に全ての体重を預けることはできないと思います.硬い板はねじれ剛性が高く,トップからテールまですべてのエッジが雪面に力を伝えてくれると思います.しかし,板がたわみづらく,操作性が落ちてしまうと思います.柔らかい板はねじれ剛性が十分ではなくトップとテールのエッジが甘くなり,やや鋭いカービングを苦手としていると思います.そのかわり板がたわみやすいので,操作性に優れていると思います.硬い板,柔らかい板,ともにメリットデメリットがあります.どちらが優れているということはありません.自分に合った板を選べばいいだけだと思います.

硬い板は,体格が大きく,体重がある選手に向いていると思います.また,一気にダイレクトにターン前半から荷重する傾向の選手に向いていると思います.柔らかい板は,線がやや細めで,体重が軽めの選手,女子選手に向いていると思います.また,繊細なスキー操作が得意な,器用な選手に向いていると思います.

柔らかい板のメーカーとしては,オガサカ,ロシニョール,フォルクル,サロモン,フィッシャーなどが挙げられると思います.硬い板のメーカーとしてはノルディカ,ブリザード,ヘッド,アトミックが挙げられると思います.ハートは中間くらいだと思います.競技用の板に関しては,急に極端に板の硬さが変わることはほとんどありません.メーカー名で板の硬さを選ぶことができると思います.

オガサカは柔らかくて操作性が非常に高いですが,競技用スキーとしては少し柔らかすぎるかもしれません.

ロシニョールは,柔らかいのにトップがしなやかに雪面に張り付き鋭いカービングをすることができる非常に性能の高い板だと思います.ただし少し耐久性が低いかもしれません.

フォルクルは非常に素直で癖のない,誰にも乗りやすい板だと思います.ややハリが強めでしなやかなタイプではないと思います.

サロモンは平板になってから柔らかい板になったと思います.非常に操作性が高くよく曲がりますが,やや安定感に欠けるかもしれません.

フィッシャーは,柔らかいのにエッジがトップからテールまで食いつき,鋭いカービングをすることのできる非常に性能の高い板だと思います.ただし,柔らかさとねじれ剛性を両立するために,板のしなやかさを犠牲にしていると思います.板の反応が淡泊で,板が勝手に縦に走るような印象を受けるかもしれません.

ノルディカは硬くどっしりとしていますが,トップの強度が程よく落としてあり,安定感と操作性をうまく両立させている良い板だと思います.ただし基本的には硬い板なので,日本の柔らかい雪では苦戦する事も多いと思います.ブリザードは現在はノルディカと同一のスキーを別ブランドとして販売しています.

ヘッドはかなり硬い板ですが,テール側にやや深いサイドカーブを設定し,ほかのどのメーカの板よりも深いカービングができる板だと思います.ノルディカと同じく,柔らかい雪をいかに滑るかが課題だと思います.

アトミックはわずかな角付でターンを始めることができる非常に性能の高い板だと思います.ただし現状のどの板よりも硬いと思います.日本国内の緩斜面や柔らかい雪で苦戦することは必至と考えていいでしょう.

ハートは操作性と安定性を両立させていて,誰が使っても合格点を出す板だと思います.しかし裏を返せば操作性も安定感もいまいちだということだと思います.本当に自分にフィットした,硬い板か柔らかい板をチョイスするのも手だと思います.

2018/10/12