ターンがしっかり捉えられないと,そのターンはいきなりずれて始まることになります.ターンの捉えは速く滑るために非常に重要です.ターンを捉えるということは,スキーのトップエッジを雪面に食い込ませることとほぼ同意だと思います.スキーのトップを押さえることのできる深い足首の前傾角,大きな動き,鋭い内傾角が重要です.
ただし,ターンの捉え動作は,選手のフィジカル,板,雪質の3条件で大きく異なると思います.例えば,体重が重くパワーのある選手がロシニョール等の柔らかい板を使っていた場合,さほど前荷重をせず,大きな動作をせず,身体の真下においた板を上方向から,適格な位置さえ踏めば,スキーが大きくたわみ,容易にエッジが雪にグリップし,ターンの捉えが完了すると思います.一方,体重が軽くパワーの小さい選手がヘッド等の硬い板を使っていた場合,全身を目いっぱい大きく動かして荷重することが必要だと思います.また,足首の角度を決して緩めることなく,常にスキーのトップに荷重しておくことも重要だと思います.更に,ターン前半から内傾角を鋭く作って,サイドカーブを利用するとともに,来るべく大きな遠心力に対抗できる姿勢を準備することも重要だと思います.
雪質でも大きく変わると思います.エッジがよく噛む雪質の時は,誰もがさほど大きな動作は必要なく,板を傾けるだけでもサイドカーブだけでターンを捉えられると思います.逆にエッジが噛みづらいアイスバーン等の雪質の場合は,比較的大きな動作がターンの捉えに必要だと思います.
ターンの捉え動作が小さくコンパクトだからといってタイムは速くならないと思います.どんなターンの捉え方をしていても,とにかく毎ターン確実に,しっかりターンを捉えたという結果がタイムに明確に反映されると思います.
2020/02/24