現在と将来の両立

ジュニア期に国内で成績を出して,シニアになってもヨーロッパで結果を残す「現在と将来の両立」はとても難しいことだと思います.

日本の場合,ヨーロッパでの活動は多大な費用がかかるため,ナショナルチームに選抜されることでヨーロッパで活動する方法が一般的だと思います.ナショナルチームに選抜されるためにはジュニア期から好成績を収める必要があると思います.ただしジュニア期に成績が出せるようにパフォーマンスを適正化してしまうと,日本国内の特殊環境(コースがなだらかで短くて雪質が柔らかい)に特化した技術が身に付いてしまい,ヨーロッパの環境(コースが急で長くて氷)に適合できず,シニアになってから伸びなくなることが非常に多いと思います.

ジュニアのうちからヨーロッパの環境に適合した技術を習得しておけば,前述のような問題は起こりづらくなると思います.しかしヨーロッパに適合した技術は,今度は日本国内の環境では良い成績を収めづらいです.いくらヨーロッパに適合した技術を習得していても,日本国内で成績を残せなければ,ナショナルチームに選ばれず,ヨーロッパに挑戦するチャンス自体が得られなくなってしまう可能性があります.

現状では,日本国内に適合した技術から,ヨーロッパに適合した技術に変更できる選手,もしくはヨーロッパに適合した技術で日本国内のレースでも結果を出せる,「天才」だけがヨーロッパで成功していると思います.

2022/02/25